「ずらし旅」とは
最近、JR東海のCMで気になるワードを見つけましたが皆さんはご覧になられた事はありますでしょうか?
それは本記事のタイトルにもある「ずらし旅」です。
JR東海の金子慎社長によると、「ずらし旅とは、ガイドブックやSNSで人気のある定番旅から、時間や場所、移動手段、方法などをずらすことで、他の人が経験した事のない新たな発見をし、旅の楽しみを大きく広げようというもの」という事のようです。
移動がともなう「旅」に出る以上、三密を避けるという事は難しく、ましてや多くの人でにぎわう観光地に行くという事は自ら密に飛び込むようなものです。
そこで生まれたのが長距離の移動をともなわない「マイクロツーリズム」の流行ですが、長距離の移動が強みの新幹線を運行するJR東海としては「マイクロツーリズム」の恩恵を預かるわけにもいかず依然として、売上は厳しい状況です。
とはいえ、長距離の移動を伴う旅行をしてもらってなんぼのJR東海としては、旅行にいってもらわないと事業が立ち行かなくなるわけで、そんな中で知恵を振り絞って、生まれたのが「ずらし旅」というなんともキャッチーなキーワードです。
CMでは俳優の本木雅弘さんが、さまざまな「ずらし」を駆使して旅を楽しんでいる様子がリズミカルに表現されていて、さすが「そうだ。京都いこう」のCMをつくったJR東海。コロナ禍においても旅に行きたくなるシズル感が見事に表現されているなと感心しました。
CMでは観光地にいく「時間をずらす」、旅先ではシェア自転車を利用する事で「移動方法をずらす」など三密回避を「仕方なく」ではなく、「新たな体験ができる手段」として表現されていて、なるほどこれなら「楽しみながら」三密を避けて旅行ができるな。とCMを見て旅行にいく気分になった方も多いのではないでしょうか?
さて、その「ずらし旅」ですが、実はJR東海が提唱する前から名前こそついていなかったものの、ひそかに「ずらし旅」を実行していた人がいたことをご存知でしょうか?
コロナ禍で人気だったレンタルキャンピングカー
それがタイトルにもあるレンタルキャンピングカーを利用した旅だったのです。実はレンタルキャンピングカーはコロナ禍で旅行業界が軒並み顧客獲得に苦戦する中、大変な人気になっていまして、8月は予約が満杯で直前の予約はほぼお断りする状況でした。
ジャパンキャンピングカーレンタルセンターのプレスリリース
8月のレンタル売上、前年比110%突破 キャンピングカーレンタルが好調に推移 コロナ禍で利用者に大きな変化も
外出自粛制限のあった4月、5月こそ低調でしたが、7月くらいから徐々に予約がはいりはじめ、8月はついに前年度の売上を超える売上を記録しました。前年まではインバウンドの顧客も多くレンタル利用していたため、国内顧客だけで前年比超えの売上はまさに快挙です。
今までは旅行にいく手段としてキャンピングカーをレンタルするという選択肢がなかった層が、我先にとレンタル予約をした事は想像に難しくないでしょう。
「ずらし旅」とキャンピングカーの共通点
先ほども書いた通り、JR東海の「ずらし旅」のコンセプトは「時間」をずらしたり、「移動手段」をずらしたりする事で、三密を避ける工夫をしていましたが、プライベートな移動、宿泊が可能で、好きな時間に移動が可能な、キャンピングカーはまさに「ずらし旅」にうってつけの手段だったのです。
また、キャンピングカーでの旅行は、決して高級ホテルのような快適なベッドやいたれり尽くせりの食事が出てくるといった今までの旅行の価値観とは異なる「新たな体験」ができるかもといった高揚感も人気となった理由のひとつかもしれません。これは昨今のキャンプブームにもつながる事かもしれません。
キャンピングカーは今後の旅行業界のヒントに?
GoToトラベルキャンペーンで旅行業界には賑わいが戻ってきていますが、国からの支援はあくまで一時的な「キャンペーン」です。
ふたたび誰もが安心して旅行にいける世界がやってくることが理想ですが、今までのやり方だけをやっていたのでは、たちまち取り残されてしまう旅行業者も出てきてしまうのではないでしょうか。
手前味噌ではありますが、レンタルキャンピングカーには「今後、旅行に求められているもの」を考える上での重要なヒントが隠されているではないでしょうか?
レンタルキャンピングカーについての取材のお問い合わせはこちらまで
info@japan-crc.com